旧国道193号線・木沢トンネルの旧隧道群

 
建設中の木沢トンネル(平成18年5月)

四国を代表する酷道である国道193号線は平成16年8月に襲来した台風10号(総雨量1500mm)により 、徳島県那賀郡木沢村(現那賀町)において大規模な山腹崩壊が起こりトンネルが埋没し、 橋梁が流出するなど大きな被害を蒙った。
上記区間は同年9月(この頃マフ巻氏が訪問している) には仮設道路によって一応通行止を解消しているが、さらなる災害の恐れがある事から 本復旧は別ルートで行うこととなり平成17年8月に災害地を迂回する 木沢トンネル(L=1280.0m)が着工された。
この木沢トンネルは既存の大用知トンネルの一部を利用して建設される物であり、 四国の道路トンネルではおそらく初の洞内分岐による建設例となるのではなかろうか。 木沢トンネルの建設は突貫工事で進められ早くも平成18年10月に貫通し、 翌19年4月27日には開通に漕ぎ着けている。 私は木沢トンネルが建設中の平成18年5月にこの地を訪れているので、 その時の様子も含めて木沢トンネルとその旧道を紹介したい。

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[A地点] 木沢トンネル南側坑口

 
木沢トンネル南側坑口(平成19年4月28日)

開通から約24時間後の木沢トンネル。
本来この坑門は大用知トンネル(平成5年竣工、L=143.0m)の物だったが、 木沢トンネルとして生まれ変わっておりデザインにも多少の変化が見られる。 右に見える洞窟(隧道)は平成5年まで利用されていた大用知隧道。
   
大用知トンネル(平成12年2月) 大用知トンネルから木沢トンネルへ(平成18年5月4日)

7年前に上の写真と同じ場所から撮ったのが左の写真(大用知トンネル)である。
坑門左の擁壁は階段も含めて元通り建設されており、 この辺に「災害復旧事業は原状回復が原則」という掟を感じる気がする。

[A地点] 大用知隧道南側坑口

 
大用知隧道 南側坑口(平成18年5月4日)

木沢トンネル建設中は大用知隧道も10数年来の封印を解かれ資材置場として活用されていた。 「火気厳禁」のプレートが着いていたのでたぶん火薬庫として使っていたのだろう。
こちらも工事が終わった今では概ね原状回復されている。(下の写真参照)
   
大用知隧道(平成12年2月)
当時は中にブルドーザーが放置されていた。
大用知隧道(平成19年4月28日)
 



[B地点] 木沢トンネル内分岐
   
洞内分岐(平成18年5月4日) 洞内分岐(平成19年4月28日)

南口から約50mほどの箇所で木沢トンネル(新坑)と大用知トンネル(旧坑)は分岐している。
昨日の午前中までは旧坑が本道として利用されていたので分岐点はそのままになっているが、 近々旧坑は塞がれ木沢トンネルに一本化されるものと思われる。
 
C地点 木沢トンネル(南口から540m地点の待避所)

木沢トンネルは両側の坑口付近がカーブしている他は長い直線になっており、 左右1箇所ずつ待避所が設けられている。 2007年4月の時点ではこのトンネル(L=1280.0m)が国道193号線最長である。



[D地点] 木沢トンネル北側坑口
   
木沢トンネル北側坑口(平成19年4月28日) 左の写真とほぼ同位置(平成18年5月4日)

北側の坑口は開通約1年前の平成18年5月の段階ではまだ掘削が始まっておらず、 このトンネルがいかに突貫工事であったか感じさせてくれる。 昨日まで使われていた旧道は入口からゲートで塞がれていた。
   
北側坑門(平成19年4月28日) 建設中の坑門(平成18年5月4日)

 
木沢トンネル周辺地図

次回は被災地の中心であり木沢トンネル開通により廃止される符殿トンネル周辺を紹介する。


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